旅と本との曖昧で難解な関係

旅先に本は持って行くべきか!?

本好きな人なら誰しも、明日に迫った旅行を前に、一度は自問したことがあるだろう。「今読みかけのこの本(あるいはまったく手をつけていない別の本)、持っていくべきだろうか?」と。ちょっとした旅行、1泊2日の小旅行やあるいは日帰りであっても、この問題は頭をもたげてくる。

いや、頭ではわかってはいるのだ。実際に持っていったとしても、ゆっくりと読む時間などないことを。結局かばんの中に入れたまま、一度も取り出すこともなく帰ってきた、なんてことも少なくない。

そんな場合、本はただの重しである。読む当てのない本をあえてかばんに詰め込むことで、見返りになにが得られるのか?せっかく持っていったのに読めなかったという罪悪感と、本の重量分だけ増大された筋肉痛である。

本は鞄の中だけでなく、心の中でどっしりと構えてくれる

ではいっそのこと、本なんて持っていかなければいい、と安易な結論に飛びつくのはちょっと待ってほしい。それで困る人だっているのだ、たぶん。いや、少なくとも筆者はそうだ。

考えてほしい。もし旅先で猛烈な台風に出くわして、ホテルから一歩も出られない、そんな事態に陥ったとしたら。狭い部屋の中をそわそわと歩き回り、見たくもないテレビのチャンネルをいじくり回し、奥さんから怒られる・・・。そんな状況を本は救ってくれる。ホテルに閉じ込められた退屈な一日も、笑顔で快適にやり過ごせる。もう、本なしではいられないだろう。平静な心を保てばほら、奥さんのためにホテルのバーで、おしゃれなカクテルを一杯注文する、なんてこともやってのけられる。

そう、本は鞄の底に置いておかれる、精神安定剤であり、旅に欠かせないアイテムなのだ。

秋になったら安曇野市で話題のタビマスターズを見つけてたびに出てみよう。